2.日本語中心のショーが成立する仕組み
なぜ日本語中心のショーがインバウンド対応として成立するのか、その仕組みを考察します。
日本語中心のショーというと、日本語自体に注目しがちですが、もう少し広い視点で「言葉を発する行為」として考えてみます。

「言葉を発する行為」は主に以下の要素で構成されています:
・言葉自体の意味
・抑揚
・音の高低
・声の大きさ
・話すスピード
・間(ま)
インバウンド向けに日本語中心のショーを行う際の不安は、当然ながら日本語が伝わりにくいことです。しかし冷静に分析すると、これは言葉を発する行為自体に効果がないのではなく、その構成要素の一つである「言葉自体の意味」が伝わりにくいということに過ぎません。
言葉の意味には確かに多くの情報量が含まれていますが、その他の構成要素(抑揚、音の高低、声の大きさなど)も合わせると、かなりの情報を伝えることができます。したがって、外国人観光客にも言葉を通じて相当量の情報が伝わっているのです。
この現象は、日本人が洋楽を聴くときの体験に似ています。歌詞の詳細な意味は理解できなくても、曲の良さを感じ取ることができます。この感覚が日本語中心のインバウンドショーでも起きているのです。
言葉以外にも、パフォーマーの表情や動作からも多くの情報が伝わります。実際には、想像以上に多くの要素が外国人観光客に伝わっているのです。
3.日本語中心のショーを行うメリット
日本語中心でインバウンド対応のショーを行うことには、次の3つの大きなメリットがあります。
メリット1:日本人観光客も楽しめる
インバウンドが活発でも、もちろん日本人観光客も訪れます。一般的に、日本人が国内観光地で偶然出会ったショーは、日本語で行われていることが期待されます。
実際、日本の観光地で見たショーが英語だったことに少し残念さを感じたという声がSNSで時々見られます。日本語中心のインバウンド対応ショーは、日本人観光客にとっても親しみやすいものになります。
メリット2:外国人観光客にとって日本を体験した満足感を得られる
外国人観光客にとっても、日本語中心のショーを楽しむことで、より本格的に日本を体験した満足感が得られます。すべての場面でこのアプローチが適切とは限りませんが、可能な限り日本語で価値を提供する姿勢も、外国人観光客へのおもてなしの一つといえるでしょう。
メリット3:パフォーマーの言葉のリズムを活かせる
日本語中心でショーを行うことは、パフォーマー自身にとっても、自然な言葉のリズムをそのまま活かせるメリットがあります。
ゆっくりと話すパフォーマーやテンポよく話すパフォーマー。パフォーマーには独自の言葉のリズムがあります。時には一文字の違いでリズムが変わることもあります。このリズムをそのまま活かすことで、パフォーマーの個性や魅力がより伝わりやすくなります。
まとめ:インバウンド対応のさまざまなアプローチ
ショーのインバウンド対応には、さまざまなアプローチがあります:
・英語中心のショー
・サイレントショー(言葉を使わないパフォーマンス)
・日本語中心のショー(今回紹介したもの)
これらはそれぞれに長所があり、状況やパフォーマーのスタイルによって最適な方法が異なります。私が選んだアプローチは日本語中心のショーでしたので、その効果と利点についてまとめました。
パフォーマンスに限らず、インバウンド対応の方法を考える際の何かの参考になれば幸いです。
ご意見、ご感想等がございましたら、ぜひコメント欄にお寄せください。実践された結果なども共有していただけると嬉しいです!
カテゴリー:活動報告
3ふ〜ん
公開日:2025/4/15
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