関西を中心に全国各地で活動するプロパフォーマー
トルマリ



和風曲芸師トルマリ パフォーマンスブログ

活動報告からどうでもいいことまでをマイペースに綴っていくブログです。


日本語中心のインバウンド向けショーでおもてなし


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はじめに


インバウンド(訪日外国人旅行)が再び活発になってきました。大阪万博も開催され、今後さらに活性化しそうです。
インバウンドが活発になると、日本文化を象徴する大阪城公園には多くの外国人観光客が訪れます。大阪城公園の天守閣前広場で約15年間、大道芸をお届けしてきた私の経験では、インバウンドブームは以下のように推移してきました。

 ・第1次インバウンドブーム: 2016年〜2020年の年初
 ・第2次インバウンドブーム: 2023年以降

この流れに合わせて、私も大阪城でのショーをインバウンド向けに改良してきましたが、試行錯誤の末、現在は日本語を中心とした内容に落ち着いています。
最近になってようやく、インバウンド向けショーに手応えを感じるようになりましたので、インバウンドが盛んな場所で日本語中心のショーを披露することについて、次の3つの観点からまとめました。

 1.数字で見る日本語中心のショーの手ごたえ
 2.日本語中心のショーが成立する仕組み
 3.日本語中心のショーを行うメリット

大道芸に限らず、インバウンド対応が求められる業種の方々も多いと思います。このブログがインバウンド対応の何かの参考になれば幸いです。


1.数字で見る日本語中心のショーの手ごたえ


インバウンドショーの手ごたえの推移

上のグラフは大阪城公園で行ったインバウンド対応ショーの手ごたえの変化を数値化したものです。日本人観客向けの通常ショーの平均的な手応えを100として、各年の平均値を算出しました。手ごたえが具体的に何かは、、、お察しください。
2018年の年初までは英語中心のショーを行い、それ以降は日本語中心のショーに切り替えました。開始当初は通常ショーの50%程度だった手ごたえが、日本語中心のショーに切り替えてから徐々に向上し、第2次インバウンドブームが始まった頃には、通常ショーと同等のレベルに達しています。

大阪城公園での大道芸の様子
大阪城公園でのインバウンド向けショーの様子


2.日本語中心のショーが成立する仕組み


なぜ日本語中心のショーがインバウンド対応として成立するのか、その仕組みを考察します。
日本語中心のショーというと、日本語自体に注目しがちですが、もう少し広い視点で「言葉を発する行為」として考えてみます。

言葉を発する行為の構成要素

「言葉を発する行為」は主に以下の要素で構成されています:
 ・言葉自体の意味
 ・抑揚
 ・音の高低
 ・声の大きさ
 ・話すスピード
 ・間(ま)

インバウンド向けに日本語中心のショーを行う際の不安は、当然ながら日本語が伝わりにくいことです。しかし冷静に分析すると、これは言葉を発する行為自体に効果がないのではなく、その構成要素の一つである「言葉自体の意味」が伝わりにくいということに過ぎません。
言葉の意味には確かに多くの情報量が含まれていますが、その他の構成要素(抑揚、音の高低、声の大きさなど)も合わせると、かなりの情報を伝えることができます。したがって、外国人観光客にも言葉を通じて相当量の情報が伝わっているのです。
この現象は、日本人が洋楽を聴くときの体験に似ています。歌詞の詳細な意味は理解できなくても、曲の良さを感じ取ることができます。この感覚が日本語中心のインバウンドショーでも起きているのです。
言葉以外にも、パフォーマーの表情や動作からも多くの情報が伝わります。実際には、想像以上に多くの要素が外国人観光客に伝わっているのです。


3.日本語中心のショーを行うメリット


日本語中心でインバウンド対応のショーを行うことには、次の3つの大きなメリットがあります。

メリット1:日本人観光客も楽しめる


インバウンドが活発でも、もちろん日本人観光客も訪れます。一般的に、日本人が国内観光地で偶然出会ったショーは、日本語で行われていることが期待されます。
実際、日本の観光地で見たショーが英語だったことに少し残念さを感じたという声がSNSで時々見られます。日本語中心のインバウンド対応ショーは、日本人観光客にとっても親しみやすいものになります。

メリット2:外国人観光客にとって日本を体験した満足感を得られる


外国人観光客にとっても、日本語中心のショーを楽しむことで、より本格的に日本を体験した満足感が得られます。すべての場面でこのアプローチが適切とは限りませんが、可能な限り日本語で価値を提供する姿勢も、外国人観光客へのおもてなしの一つといえるでしょう。

メリット3:パフォーマーの言葉のリズムを活かせる


日本語中心でショーを行うことは、パフォーマー自身にとっても、自然な言葉のリズムをそのまま活かせるメリットがあります。
ゆっくりと話すパフォーマーやテンポよく話すパフォーマー。パフォーマーには独自の言葉のリズムがあります。時には一文字の違いでリズムが変わることもあります。このリズムをそのまま活かすことで、パフォーマーの個性や魅力がより伝わりやすくなります。


まとめ:インバウンド対応のさまざまなアプローチ


ショーのインバウンド対応には、さまざまなアプローチがあります:
・英語中心のショー
・サイレントショー(言葉を使わないパフォーマンス)
・日本語中心のショー(今回紹介したもの)
これらはそれぞれに長所があり、状況やパフォーマーのスタイルによって最適な方法が異なります。私が選んだアプローチは日本語中心のショーでしたので、その効果と利点についてまとめました。
パフォーマンスに限らず、インバウンド対応の方法を考える際の何かの参考になれば幸いです。
ご意見、ご感想等がございましたら、ぜひコメント欄にお寄せください。実践された結果なども共有していただけると嬉しいです!



 カテゴリー:活動報告
3ふ〜ん
公開日:2025/4/15 



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